今の人間関係とその少し前


コロナをきっかけに人間関係はぐっと狭くなった。
そんな人はとても多いでしょうね。

私の人間関係は、数だけでなく質感も変わったのです。
うんと距離ができた。

距離を取ったことで実質的な縁が薄れた関係もあれば(A)
距離を取ったことで心のつながりがずっと深くなった関係もある(B)
2023年現在、私が大事に思う人たちとはBの関係性。
「距離」を取ったことでより信頼し合えている体感があります。

まず干渉しなくなりました。ジャッジもしない。
基本的に「ふーん」「そうなんだ」「いいね」
良くも悪くも一定以上踏み込まない。
互いに言葉にせずとも、このルールを大事にし合えている。

干渉しないとは言っても、気になることは聞く。
そのとき言葉に非礼感が表れないよう努める。

以前の私からしたら、2023年に大事な人たちとこういう関係を築いてるとは信じられなかっただろう。
かつての私は「大事な人とはぶつかってこそ・腹を割ってこそ」「嘘はダメ・全部真っ正直に」を大切にする人間だったからね。

なぜ変わったかといえば、やはり2021年にカウンセリングを受けたことは大きい。
あのとき、家族のことでなぜあんなにも悩んでいたかというと、とてつもない孤独を感じていたから。

このつらさを友達に言うべきか。
好きな人に話したら避けられるのではないか。
こんな悩みを抱えてる自分の話を誰が聞いてくれるだろう。
でも聞いてくれるような人と深い関係を築きたい。
カウンセラーにそう吐露したんですよね。

「好きな人・大事な人とはおいしいものを食べたり、楽しい時間を共有するような幸せな時間を築きましょう」
「重い話はたとえ恋人でも友達でも、そうそう受け止められるものじゃない」
「一度は耳を傾けてくれても、そのうち重さから逃げ出してしまうから」
「深刻な悩みはプロが聞くもの」

初めてこれを耳にしたときは、「いやいや、重さ引き受けてくれる人いるっしょ!」「世のみんなのパートナー・親友ってそういう人なんじゃないの?」と、カウンセラーの言葉に反発心が湧いた。

その少し前に私は、すごく仲良かった女性と絶交状態になっていた。
あんなに何年も濃厚な間柄だったのに、まるで恋愛のような完全破局。
今振り返ると、私は彼女に大きな期待を寄せすぎていた。
勝手に期待して、あることをきっかけに「もう信じられない」とジャッジしてしまった。

自分の怒りはすさまじく、若い頃なら感情をぶつけたい、わからせてやりたいと長文メールでも送ってたかもしれない。
でも彼女にそれはできない。
もう信じられないけど、すごく大事な友だったから。
言ってやりたい言葉を抑えるのはとても苦しかったけど、彼女を傷つけることはできない。でも許せない。
怒りに任せた言動とかして加害者になりたくない気持ちも正直あった。
だから関わることをやめました。

彼女とはもう前のような関係にはなれないけど、「傷つけたくない」という思いだけが結晶のように残って、それは2021年以降の教訓として、カウンセラーの言葉と結びついたんですよね。
相手にわかってもらいたいからって、どんだけ寄り掛かろうとしていたか。

自分がそれまで大切にしていたことは、「聞いて聞いて」「知りたい知りたい」というオープンさでもって関係を濃厚にすること。
その濃厚さには「なんでも言って言って」というのもあり、これが危険。
私は相手のダメ出しを吸収してこそ自分をアップデートできる人間と思っていた。
きょうだいにずいぶんダメ出しされてきたという家族関係の影響だろうけどね。
そうやって常に自分を一段下げる行為は自己否定感を高める一方。
反省ばっかしてどうすんだと。

とにかく2023年現在はですね、大事に思う人と1週間〜1、2ヶ月連絡を取らなくてもそこに脆さなどはなく、むしろ信頼感と安心感が育っているという不思議さがある。
新しい植物を、今度こそは大事に育てている感覚です。
(やっと自分に合う育て方がわかったというような)







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